導入事例・実績

順天堂大学医学部付属 順天堂医院

デザイン性と操作性に優れたDBの構築で
効率よく質の高いデータ収集を実現

順天堂大学医学部附属 順天堂医院の肝胆膵外科では、治療情報のデータベース(DB)が修正できなくなり、足りない項目をExcelで補いながら使い続けてきた。そこで、新たなDBの構築をアドバンスド・コンサルティングに依頼。直感的に使いやすく、入力者を問わず一定品質のデータ収集が可能になり、大幅な効率化を実現した。

POINT
  • データベースの一新により入力業務の大幅な効率化を実現
  • 目の動きまで考えた優れた操作性で入力効率が約5倍に向上
  • 選択式のため誰が入力しても分析しやすいデータを収集可能に

更新できなくなっていたデータベースの刷新に着手

順天堂医院は、特定機能病院に認定され、高度医療を提供すると共に、先進医療の開発・評価および研修を行う総合病院である。同院の肝胆膵外科も多くの患者が来院し、日々治療が行われている。これらの情報は、個人の治療に役立てるだけでなく、集約・分析することで、新たな治療法の検討や確立に役立てられている。そのため同科では、10年以上前からDBを構築し、症例を蓄積してきた。しかし、課題があったと、順天堂大学医学部附属 順天堂医院 肝胆膵外科 医師の武田良祝氏は、次のように語る。「DBの管理項目(規約)は、数年ごとに変わります。しかし、最初にDBを作成した方が異動したため、項目の更新ができなくなりました。そのため、追加項目は別途Excelで管理しており、入力の手間がかかっていました」。

DBで管理する項目は、患者さん情報、病気や治療の種類など多岐にわたり、その項目数は数百にもなる。従来のDBはそれらの項目を画面上に詰め込んでいたため、文字も小さく、使いづらいものだった。Excelについても、項目が増えて巨大化していた。

以前から同科ではこの更新が検討されていたが、医師は皆忙しくなかなか着手できずにいた。2018年1月に同科に着任した武田氏は、この現状を問題視し、新たなDBの構築に乗り出すことになったという。

わかりやすいデザインと医学のDBに対する理解力を評価

以前のDBはFileMakerを使って作られており、そのデータを活かしたいと考えた武田氏は、2018年5月、FileMakerでの開発が可能なベンダーの中から9社に連絡し、直接会って現状のDBを見せ、デザイン案や見積もりを募った。その結果、商談時の印象がよく、デザインが的確であったアドバンスド・コンサルティングを選定した。

選定の中で武田氏が重視したのは、わかりやすいデザインと医学用語に対する理解力である。「どうしても医学用語での説明が多くなってしまうので、理解しづらいとは思うのですが、ある程度理解してもらえないと頼めません」(武田氏)。アドバンスド・コンサルティングは、理解に齟齬がないかその場で確認を求め、その結果かなり詳細なデザイン案を提案した。武田氏は、「提案された画面イメージは、一番具体的でわかりやすいものでした。提案が翌日か翌々日と速かったのも感心しました」と評価している。

当初予定のなかった新機能も加え、3カ月ほどで開発は終了し、9月には利用を開始した。アドバンスド・コンサルティングについて武田氏は、「相談すると、的確な提案をしてもらえました。思った以上に良いものができて、感謝しています。今後の項目追加や修正にも対応してもらえると信頼しています」と評価している。

誰でもブレなく入力でき入力効率も大幅にアップ

DBの構築時に武田氏がこだわったのは、操作性だ。「目の動きに合わせてストレスなく入力できるよう画面をデザインしてもらえ、満足しています」(武田氏)。また、マウスとキーボードの両方で入力できるので、好きな入力方法でどんどん入力できる。従来5分程度かかっていた入力が、1、2分と大幅な効率化が実現した。

収集したデータは統計的に解析し、論文や学会発表などに利用される。そのため、できるだけ分析しやすいよう、基本的にプルダウンメニューで選択入力するようにした。一方、一般的でない項目に対しては、手入力を可能にしている。「当初は、人によって用語選択が異ならないよう入力者を固定しようと考えていました。しかし、これなら誰が入力してもブレることなく入力できので、担当者ごとに入力してもらおうと考えています」と武田氏。

さらに、術後の検討会で写真などをプロジェクターで映しだす際、従来は出力した写真を書画カメラで映していた。それがDBから直接データを呼出し、鮮明に拡大投影できるようになった。

今回のDB構築により、より効率よく分析しやすいデータを収集可能になった順天堂医院 肝胆膵外科は、収集したデータを今後のよりよい治療に役立てていく。

順天堂大学医学部附属 順天堂医院
肝胆膵外科
武田 良祝 氏


病院名

順天堂大学医学部附属 順天堂医院

住所

東京都文京区本郷3-1-3

病床数

1,026床

URL

https://www.juntendo.ac.jp/hospital/

概要

「順天堂」は1838年(天保9年)、順天堂の初代堂主佐藤泰然が江戸に開いた蘭方塾を起源とする。1873年、2代目堂主佐藤尚中が「順天堂医院」を開院。医育機関を併設した西洋医学の医療機関として、日本で最も長い歴史と伝統を持っている。順天堂医院は現在、「特定機能病院」、「先進医療」、「救急指定病院」の指定・承認も受け(2017年8月1日現在)、建学以来掲げてきた“仁”の心に基づいた医療の推進を基本理念に、安全かつ最新、最高の医療を提供している。